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銀行の通帳が無くなる

Sさんのレポートを読み返してみると、顔を出してもらうようになって2か月くらいの間に、いろいろなことが起きています。母が身体のことを気にしている様子がよくわかります。肩が痛いので湿布薬を貼る。湿布薬をずっと貼っていると肌がかぶれるようで、お風呂に入る1時間前には一旦はがすようにSさんに教えてもらってました。また、眼の調子が悪く近所の眼科に行ったり、糖尿病の診察で父の運転で隣の市の評判のいい内科に行ったり。面白いのは、よく父は母を乗せて病院や買い物に行くのですが、1時間でも2時間でも車の中でじ~っと待っているそうです。当時は「どうして?」と思っていましたが、自分も腰が痛むようになってくると、足腰が痺れるから歩きまわりたくなかったんだなと思っています。

ある日、母から「通帳がないの」と元気の無い声で電話がかかってきました。通帳がなくなったことで父にひどく怒られた様子。しかし、相談されても離れて住んでいると一緒に探すことはできません。「今度行ったら探してあげるから。きっと家の中にあるよ」となんとかなだめました。 ところが、Sさんが掃除していると、居間のカーペットが不自然に膨らんでいることに気がついたそうです。カーペットの下にあったのは、ビニール紐でぐるぐるにしばってあった銀行通帳が2冊。どうして?? カーペットの下に物をしまう?? 

何かがなくなる⇒盗まれ妄想⇒ふだんとは違う場所にしまい込む⇒自分でもわからなくなる。 

この繰り返しが何回も起きるのでしょう。Sさんのレポートには「そのまま置いておきました」と書かれてあります。「通帳がありましたよ」って教えてくれればいいのに、と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、このことで一つ大事なことを学びました。 認知症患者の家に外部からヘルパーさんに来てもらう場合、「お金」に関するトラブルに注意しないといけないということです。無くした通帳を見つけたくらいでトラブルになるのか?と思う人もいらっしゃると思いますが、Sさんのけじめとして、お金関係には一切手を触れないと決めていたのだと思います。外部のヘルパーさんに来てもらう家庭も多いと思いますが、気持ち良く助けてもらうためにも、お金のことに関するルールはキチンと決めないといけないと思います。幸いなことに、この後も何人ものヘルパーさんが実家に出入りしましたが、お金のトラブルはありませんでした。

この年齢になると身体の不調がいろいろ出てきます。母は近所の眼科に通ってましたが、白内障が進行していたようです。手術を勧められました。私の友人が、実家から少し離れたところで眼科を開業しており、地域では評判もいいので、彼に手術を頼むことになりましたが… 左右の手術をするので3泊の入院をしなくてはいけません。さて、解決しなくてはいけない問題が出てきました。認知症患者が夜中に知らない場所で目を覚ましたら、どんな行動をとるのか、もし病室から出て、病院から出て、徘徊したら… 入院は1か月後に迫ってきました。