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警視庁公安部・青山望 一網打尽 濱嘉之 文春文庫

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この記事を書くために初めて著者紹介を読みました。なるほど、濱さんは警視庁の警備畑にいらっしゃって、50歳前に警視で退官されているんですね。その後、議員秘書を経て作家へ。主人公の青山望と経歴が重なっているところが多い。だから詳しいところは驚くほどくわしく、警察内部や政治の裏側にリアリティがあるんだな・・・と妙に納得。

ただ、読み物としては、ディテールが詳しすぎてストーリーに没入できないと感じることもあります。警察内部の書類や、手続きなど、そこまで説明的に書かなくてもいいのに・・と思います。

登場人物は相変わらずの同期カルテット、そしてヤクザの大親分、清水保、そして主人公、青山望は、天才的な分析能力で関係者の相関図を作らせたら警察一家のNo1と毎度おきまりの設定です。

今回は事件の端緒は祇園祭の京都、青山夫婦は美味しい京料理を食べまくります。さぞや、濱先生は文春の取材費で京都の祇園祭でいい思いをされたんでしょうねとやっかみたくなる導入部です。人気シリーズ10作目となると取材旅行もなかなか一般人では行けないところに行けるよう手配しないとならず、編集者の苦労が伺えます。

10作目!マンネリ感漂う! そろそろ新展開を期待します!

このシリーズは初期の頃は警察内部の人の動き、捜査についての描写が新鮮で、面白く読んでいたんですが、10作目ともなると少しマンネリを感じます。主人公側の登場人物もお馴染みさんなのですが、対する悪党も半グレ集団、中国マフィア、とお馴染みさんになってきました。ここらあたりで、警察内部にも敵を登場させたり、中国マフィアはそろそろ壊滅させて、ロシアンマフィアか東南アジアを拠点とする新しいタイプのマフィアを登場させるってのはいかがでしょう?謎の登場人物ってのもいいかもしれません。

ストーリーの展開パターンがいつも一緒なので、そろそろ飽きてきそうです。それでも手に取ってしまうのは、「次こそ新しい敵がくるかも」と思ってしまう警察もの好きの悲しい性ですね。