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ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人 中山七里 角川文庫

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このミステリーの設定は現実なのです。

子宮頸がんワクチンの副作用が作品のテーマになっています。恥ずかしいのですが、子宮頸がんワクチンの副作用が現実の日本でも大きな問題になっていることを知りませんでした。このストーリーは現実に起きても不思議ではないのだと思い知らされました。

「救えるはずの患者を救えない」 子宮頸がんワクチン副作用「問題」はなぜ起きた?

ということはこの作品はWOWOWでしか映像化できないってことですね。大手製薬会社がスポンサーについているような民放ではドラマ化は困難です。

という前提でもう一度思い返してみると、この作品はとてもリアリティのある一流のミステリーと言えるでしょう。

作品は、7人の少女たちが行方不明になることから始まります。7人の少女はいずれも子宮頸がんワクチンの副作用に関係しています。妙なことに誘拐犯からの身代金の要求がなかなか来ない・・焦る警察と関係者。しかし、突然、犯人から意外な要求が届きます。

文庫本の帯によると、中山七里先生は「どんでん返しの帝王」って呼ばれているんですか? 確かに、真相が明かされるラストには二重三重のどんでん返しが待っていました。最初はどんなストーリーになるのか見当もつかず読み進んでいたのですが、このラストの展開にはお手上げです。

欲を言うと、犯人が70憶の札束を手に入れてから隠し場所に移すまでの説明が少し足りないかな・・。あの作業を一人の手でやれるんだろうか?と思ってしまいます。まあそんな細かいところは気にせず「どんでん返しの帝王」がプレゼントしてくれたどんでん返しを楽しんでください。あ、あと主人公の刑事犬養隼人のキャラがもっと立ってくれると楽しく読めるんですけどね~。

誰も予想できない「どんでん返し」が楽しめる一冊です。