人生は楽しまなくっちゃ

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散歩しながら母はどんなことを考えていたのでしょう?

裁縫の先生を訪問してから1年以上たった頃です。この頃の母は、介護用ベッドで横になっている時間が増えていました。食事の後は必ず横になって小一時間寝ているようになりました。なんとなく、緩やかに母の生命力が弱くなっている空気を感じていました。少しでも長く元気でいてもらうためには、適度な運動が必要です。母が昼寝から目を覚ましたときには「散歩行こうか?」と言って近所に連れ出します。運動した方がいいとは言っても、あまり長い時間は歩かせられません。自宅から5分以内の場所はのんびり歩きます。昔は歩くのが早い母でした。子供を連れていてもスタスタ歩いて行ってしまうのです。よく遅れがちになったことを覚えています。
自宅を出発して、周辺の路地をあてもなく歩きます。母は息子に手をひかれながらニコニコしてついてきます。ゆっくり、ゆっくり気をつけながら歩きます。この年齢になると骨密度が減少して些細なことで骨折したりします。実際に母も数年後には、何かのひょうしで転んで車いすが手放せなくなりました。近所の大きな木を見たり花を見たり、友人の家の前では「ここは○○○さんの家」と言ってみたりしながらの散歩です。田舎町のゆる~い空気の中、母と二人でゆる~く散歩するのは、こちらも気持ちのリフレッシュになりました。こういうゆとりが持てるのも、地元のヘルパーさんたちが必要なことをやってくれているからです。
認知症の母は何を考えながら歩くのでしょう?
こういう散歩の間、母は何を考えていたのでしょう? 認知症の人がどういう感情で、何を考えているのか、家族もあまり考えないですよね? 特異な行動や、障害ばかり取り上げられていますが、認知症の患者さんの気持ちってあまり研究されてない気がします。
母は母、認知症でも母は母
 こうやって、一緒に散歩している時の母は普通の大人しい老人でした。外の空気に触れて気持ち良さそうな母の顔をしていました。